レインボーフラッグは誰のもの

LGBT セクシュアリティ ジェンダー系の話題

「キモいけど、いてもいい」 ソフトで柔らかい「さべつ」

ちょわっす。ひばりんです。

先月28日、初のLGBTの人たちに対する人々の意識調査の報告会がありました。発表を受けて調査結果を報じるメディアに対し、海老名市の市議会議員が同性愛に対して差別的な発言をTwitterで行い炎上しました。

調査結果を報じるニュースに対する人々の反応はこちら

また海老名市、市議会議員の発言に対する当事者、もしくは当事者に理解のある人たちの反応はこちらにまとめときました。

 調査結果に関しては全体的に厳しい内容だと思います。決して「理解されている」とか「日本には差別がない」とか言えない結果でしょう。でも、そこが大事なところだなと思いました。

個人的には「こんなもんだよな」という印象です。自分でも、ふだん生活していて感じる息苦しさ、不便さとそんなに変わらない、むしろ「この程度には差別されてるだろう」というリアリティのあるものでした。

調査の詳細ですが報告会に参加された三橋大先生のブログを引っ張っておきます。

「性的マイノリティについての全国調査」の結果から(1):続々・たそがれ日記:So-netブログ

まとめを作っていて人々のコメントを読みながら強く感じたことは、人々のコメント、反応もまた調査結果を裏付けているようだということです。
例えば、コメントには「認めてもいい、でもキモいと思う」とか、「あってもいい、なぜならば自分とは無関係だから」とか、およそ反語的でメタ的な意味合いを持つ言い回しが目立っていました。
「お前、嫌いだからあっち行け!」はこれだけでは差別とは呼べませんが、何者かを差別する場合のスタイル、意思表示としては「判り易い」でしょう。
しかし「お前を認める。だがお前は我々と違ってキモい。それを忘れるな」という(これだけではもちろん差別だとは言えないですが)スタイルの差別が仮にあったら、どうでしょうか。それは判り易い前者のスタイルを持つ差別に比べると、それが差別だと指摘するのは難しい差別だと言えるでしょう。
そう考えれば、今回の調査結果はふだん私たちが人を差別する時に講じている手段を明らかにしたという点で意義のあるものでした。
調査結果に対する人々の反応も、その発表を受けて過激な発言をしてしまった件の市議会議員の方の存在も、問題発言をいつなく迅速に取り上げることになったマスコミも、全てが、それを裏付けるかのような出来事の連続でした。

早かった。議員、マスコミの反応

議員の差別発言ですが、報告会のマスコミの報道に対して行われました。
報告会を受けたマスコミの報道は、報告会後まもなくあり、例えば朝日の公式アカウントはヘッドラインを28日の20:28に投稿しています(記事は同日19:40)。

議員の問題発言が投稿されたのは、それから数時間後、29日の1:00付近です。未明には炎上し、投稿から約10時間後、29日の昼には発言が削除されました。午後には削除したことを受けた報道がありました。例えば朝日の公式アカウントは29日の14:47に議員がツイートを削除したと報じています。その夜には一件が本人の映像と共にテレビニュースになりました。
つまり何が言いたいかというと、「とにかく反応が早い!」のが今回の出来事の特徴でした。

このマスコミの反応の「早さ」は何でしょうか? LGBTが理解されて来たのでしょうか。差別がなくなってきた? そうなんでしょうか。理解されて来たかどうかは判りませんが、しかし、そこに強いポリティクスが働くようになった(利害関係が生じている)ことは確かだと思います。

事後、牧村朝子さんから見解を引き出している、ある記事が目を引きました。

今回の件は、同性愛に反対する人、寛容な人、お互いが恐怖感を覚えたと思う。反対派は、発言が炎上したことで、「同性愛を異常と思う自分は、差別主義者と思われる」という恐怖を覚える。
同性愛に寛容な人は「市議会議員が発言するくらい『同性愛は異常』は普通のことなのだ」と思ってしまう。どちら側も怖い思いをしている。

「どちら側も怖い思いをしている」?

どうなんでしょうか。この記事を読んでいて、牧村さんの存在もあり、理性的、冷静だなとは感じました。差別に対して過激な反応を行うのは、アンチを刺激してしまうし、あまり生産的でないなと基本的には思います。しかし、読後は何か言いようのない違和感が残りました。

先の調査結果もそうなのですが、そこで可視化された「差別」とは、おそらく「差別」と漢字で書くそれではなく、平仮名で書いた方が良さげな「さべつ」なんでしょうね。
まるで「美しい日本語」のような、情緒的で優しい、身近にある「さべつ」です。
何かこのうまく言い表せない違和感、あるいは日本の社会にある見えにくい「さべつ」を比較的上手く言い述べているんじゃないかと感じたツイートを載せて置きます。

ひばりんでした。

※取材、講演の依頼受け付けます。 hibari.mizuno@gmail.com